Daily Archive: 2015年2月27日

2月
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明治記念館開館百周年記念式典

明治記念館開館百周年にあたって

歴史と文化の町矢掛の地に明治35年に創立された岡山県立矢掛高等学校は、前に小田川のせせらぎを聞き、後に高妻山の秀峰を仰ぎつつ、営々と歩みを進めて参りました。校内には歴史と伝統を感じさせる風景が残り、伝統と文化を継承することの大切さを教えてくれています。

中でも、明治記念館は岡山県の近代化遺産として大変貴重なものであります。大正4年2月1日、同窓会・校友会により「明治天皇のご聖徳を記念するため」として、明治記念館が落成ししています。平成27年2月をもって開館百周年を迎えることとなりました。

設計は岡山県工師江川三郎八です。江川三郎八は幕末に会津若松に生まれ、戊辰戦争を生き延びました。1891年福島県技手となり1902年岡山県に転任し、県内の公共建築を次々と手掛けました。現存する建築では、県指定重要文化財となっている真庭市の旧遷喬尋常小学校校舎や、金光学園記念講堂等があります。

明治記念館は木造平屋寄棟造、下見板貼りの上部を漆喰壁で仕上げ、南面入口に切妻屋根の庇を張り出し、東西両面には上げ下げ式の縦長窓を等間隔に並べます。窓の上下には凝った装飾が添えられています。小規模な建物ですが、一連の江川作品に共通する意匠が随所に見られます。

当初、明治記念館は現在の格技場の位置にありましたが、昭和43年に現在の位置に移転されました。一世紀にわたり、数々の変遷を見てきた生き証人であり、矢掛高等学校最古の建築物として今でも歴史を刻み続けています。

明治記念館開館百周年に当たる平成27年に卒業するみなさんに披露し、今後も同窓生として母校の持続発展を見守ってもらえるよう願い、あいさつといたします。

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2月
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卒業式まであと3日!

ということで、予行と歌唱練習を行いました。

 We did rehearsal of Graduation Ceremony,  and practice of singing School Song and so on.

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卒業式はMarch 2です。

みんなの最高の声が本番聴けるといいな。

 We wish we could hear everyone’s loud and heartwarming singing voice at real Graduation Ceremony.

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2月
27

校誌『高妻』26号 巻頭言

巻頭言    「 ESDの歩みを振り返って ~地域創生のために~」

 

ESDとは、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)の略称である。地球規模の環境破壊や、エネルギー・水等の資源保全が問題化されているなか、人類が現在の生活レベルを維持しつつ、次世代も含む全ての人々により質の高い生活をもたらすことができる状態での開発を目指すことが重要な課題となっている。このため、個人のレベルで地球上の資源の有限性を認識し、自らの考えをもって新しい社会秩序を作り上げていく、地球的な視野をもつ市民を育成するための教育がESDである。

持続可能な開発を進めていくためには、あらゆる主体間で連携を図りながら、教育を推進する必要がある。この教育の範囲は、環境・福祉・平和・開発・ジェンダー・子どもの人権・国際理解・貧困・識字・エイズなど多岐にわたる。
国内では、島しょ部や中山間地域等の過疎化・産業衰退の厳しい環境に置かれている地域でESDの実践が活発である。これらの地域では持続可能性の危機が目前に迫り、ESDへのインセンティブや二ーズが高まっているからである。

中国地方は、中山間地域の居住人口が全体の二割強を占める。かつて中山間部は、里地里山であった。戦後燃料の化石燃料化が完了し、家庭用燃料としての薪・木炭はほぼ姿を消した。また化学肥料の普及、使役家畜の消滅も里山の経済価値を失わせた。こうして経済価値を失った里山は、放置され、松枯れ・竹林化等の植生の変化、有害鳥獣の激増、不法投棄される粗大ゴミや産業廃棄物による汚染にさらされている。

このような里山を保全活用するには、人と自然のかかわりの再生が鍵となるが、過疎化・高齢化の進行等により、これまで里山の維持を担ってきた農家や地域コミュニティだけがその役割を担うことは困難になっている。
一方、都市住民を中心に、NPOや企業等新たな主体による自然とのふれあいや体験、景観の保全等の活動が活発化している。このような新たな担い手、さらに行政や専門家も加えた多様な主体による協働の枠組みのもとに、里山の価値認識と保全活用を進めていくことが中山間地域の創生のために必要になるであろう。環境を保全するためには、地域の生活を守らなければならないのである。

中山間地域において人口減少を理由に各種施設が集約されてサービス水準が低下すれば、人口流出が一層加速し、負のスパイラルが成立する。特に中山間地域にとって欠かせないインフラストラクチャーは、交通・医療・教育であると考える。その意味でも学校の持続発展が地域の持続発展を担保するのである。
我が国では近い将来、持続不可能性が地方都市部をはじめ各所で顕在化すると予想される。中山間地域におけるESDの取組は全国的にも先端の取組となるのである。

平成18年に改正された教育基本法には「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」の規定が新設された。「地域を支え 地域に支えられる学校」こそが、これを具現化する。中山間地域では、高校生は戦力である。地域に積極的に進出することで、地域が活性化するとともに高校生自身もキャリアを身につけ、自らの進路実現に資する。そのような「Win-Winの関係」を構築していくことが、地域を支える人材を育てるために重要であると考える。 [ 校長 川上 公一 ]

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