Daily Archive: 2015年5月15日

5月
15

5.15に寄せて

求則得之 舎則失之


「求則得之 舎則失之」 校長室に掛けられている額です。書家としても名高い「五・一五事件」で凶弾に倒れた犬養毅から寄せられた書額です。「木堂」の号ではなく、「犬養毅」と本名が記されています。学校のため、威儀を正して謹んで書いたというご自身の姿勢が示されているとのことです。

1932年(昭和7年)5月15日に武装した海軍の青年将校たちが総理大臣官邸に乱入し、岡山県出身の内閣総理大臣犬養毅を殺害しました。この書がかかれたのは、その前年の昭和6年冬。昭和6年12月13日に第29代内閣総理大臣に就任しています。

求むるときは則ち之を得、舍つるときは則ち之を失う

と読みます。『孟子』盡心章句上 に書かれているものです。
「求めようとする心があれば、それを得ることができるが、その思いを捨ててしまっては、得るはずのものばかりでなく、心をも失ってしまう。」ということです。

求めるべきものは、すでに用意されています。あとは、それを求めようとするか否か、その人の心がけや意志によるものなのです。ただ漫然と思うだけではなく強く念じる心が行動を生み、やがて得ようとしていたものが見えてきます。

 

求則得之 舎則失之
是求有益於得也 求在我者也
求之有道 得之有命
是求無益於得也、求在外者也
『孟子』 盡心章句上

 

 

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