Daily Archive: 2015年6月26日

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星が教えてくれたこれからの未来

「こくさいこどもフォーラム岡山 高校生懸賞論文2015」 では岡山県内高校生を対象に懸賞論文を募集しました。テーマは次の3つです。
1.グローバル社会と私  ~グローバル社会でどのような活躍を目指すか
2.ESDと私   ~持続可能な社会に向けて何をなすべきであろうか
3.岡山からの私の発信 ~岡山の文化を世界にアピールするには

 

“Think locally, Act globally.”高い問題意識と情報処理能力を持った人材が、中山間部に定住することを期待する。インターネットを活用すれば世界と瞬時につながり、都市部と変わらないビジネスが、中山間地域でも可能になる。

を提唱し、地域創生を積極的に行おうとする人材を育成する【Super Local High school】を志向する矢掛高校にお似合いのテーマです。

 

こくさいこどもフォーラム岡山からご連絡をいただき、本校第2学年 三宅美聡 が優秀賞に選ばれました。題は「星が教えてくれたこれからの未来」です。題からも予想できるように美星町出身・美星中学校卒業生です。

ESDフィールドとしての美星

美星地区は、岡山県の西南部に位置し、吉備高原の一角をなしている。かつて、美星町として存在していたが、平成の大合併により芳井町とともに井原市に編入している。

「地形の起伏がゆるやかで気流が安定している」「瀬戸内式気候で晴天率が高い」「市街地から離れている」など、町名の通り天体観測に適した条件が揃った地であり、海上保安庁の水路観測所・美星天文台・(財)日本宇宙フォーラムの「美星スペースガードセンター」(スペースデブリや小惑星の監視)の所在地である。
1982 年より、まちおこしのため「星の郷」をアピールする一連の事業に着手する。そのなかでも全国的に類を見ない試みとして、「美しい星空を守る美星町光害防止条例」を制定した。この条例は町を訪れたアマチュア天文家の発案によったものであり、適正な屋外照明のあり方を定めたものとして注目された。美星町は過疎化に悩まされているが、状況を逆手に取り、町内外の協力を得ながら、夜空の保全に努めている。

美星町への交通条件は、町の南端をかすめて県道「倉敷・井原線」が東西に通じ、矢掛町平野部から美星町へは複数の道が通じている。自動車を利用すれば岡山や倉敷から1時間程度で到達できる。しかし、岡山・倉敷方面に通じる鉄道はなく、また路線バスも前述の通りである。
人口は平成7年6077人、平成12年5656人であり、平成12年の高齢化率は34.6%である。かつて1万前後だった人口が昭和40年代から漸減している。歴史的・地理的条件からみて、美星町の財政は困難となっていた。人口が減少し、高齢化がすすみ、しかも根幹になる農業生産が低迷状態にあることはこの「むら」の経済を暗くしている。主として財政的な事情から美星町は、井原市との合併を選択したのである。
このような厳しい状況にある美星地区において、1つの成功事例としてあげることができるのが「青空市」である。 「ふるさと創生事業」の補助の一部を投入し、町が主導して恒常的な施設「青空市場」を設置した。平日は300人、休日になると1000人近くの来客があり、4億円を越える売上高となっている。さらに株式会社化することによって経営も収支も明確にしている。

かつて、矢掛高校の分校が美星町にあった。1948年岡山県立矢掛第一高等学校美星分校として発足し、1952年に改称・独立し、岡山県美星高校として小田郡堺村外二箇村高等学校組合により設置された。1963年には県立に移管し岡山県立美星高校となり、1971年には岡山県立矢掛高校美星分校に戻り、1986年に廃校となる。
現在は、「星の郷ふれあいセンター」という研修宿泊施設になっている。ここでは、平成に入って毎年「ブルーグラスミーティング」が開催されており、初夏にはバンジョーの音色が響き渡る。矢掛高校美星分校は、日本のブルーグラスの聖地というような存在になっているのである。

 

川上公一 「北辰バスにのって美星に行こう~矢掛高校ESD新たなフィールドの開拓~」 2014/09/08

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