Daily Archive: 2015年9月25日

9月
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夕焼けがうつくしい

差別と貧困のなかで、学校に通えなかった 北代色さんは、60歳を過ぎてから「識字学級」に通い、文字を覚えます。そして、生まれて初めて書いた手紙がこの手紙です。宛先は識字学級の先生。

 

道徳の授業では「字を覚えてよかったこと」の発問に功利的な答えが続きます。「医者の受付で名前がかけたこと」「スーパーや木曜市が楽しみになったこと」「旅館で恥をかかなくなったこと」。

そして最後に残るのが「夕焼けが美しい」。なんで? 置かれている立場や感性によって様々な答えが返ってきます。

夕焼けは、今までと変わらないのに、どうして字を覚えてから本当に美しいと思えるようになったのかを考えます。
「何のために学ぶのか」「学んでどうなるのか」と悩んでいるとき「学ぶことのすばらしさ」を教えてくれます。
「10年ながいきしたいです」と思えるような教育ができているのか自問しています。私の原点です。
夕焼けを見るたびに思い起こします。

 

本日、校長全員研修がありました。教職員の不祥事防止には、教職にあるものの「使命」や「誇り」について自覚することが第一だと私は思います。そのためにはまずもって1人1人の教師力の向上です。学び続けるものだけが教える資格をもつのです。その上で、互いの弱点を支え合いながら、チームで問題を解決していこうとする風通しのよい職場づくりが大切です。これを逆転させてしまうと傷をなめあう甘い職場になってしまいます。

本日の研修で、新採用5年目の先生の書かれた文章が配られました。絶えず初心に立ち返ること。肝に銘じました。私も新採用のとき、荒木弘之という素晴らしい師匠に出会いました。素晴らしい教員生活のスタートでした。そして荒木弘之は私の4代前の矢掛中学校の校長です。運命を感じました。

本日、私の教職生活最後の年の折り返し点です。

 

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