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5月
29

やかげ学 矢掛町出前講座「矢掛の観光」

「やかげ学」は、矢掛町と矢掛高校が協定を結び、矢掛町の施設で総合コースの生徒が職場実習を体験する学校設定教科です。2年の「やかげ学Ⅰ」から3年の「やかげ学Ⅱ」にかけての2年間学習します。「やかげ学Ⅰ」は7月まで矢掛町についての講義を中心に学習し、9月から実習にでていきます。今日は、「矢掛町の観光」が講義のテーマでした。今年は、矢掛町観光元年ということで、様々な仕掛けをしていきます。特別ゲストやかっぴ~も聴講に訪れました。

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中山間部の観光振興について、公益財団法人日本交通公社 中野文彦 主任研究員は、次のように論じています。

中山間地域では、少子高齢化、過疎化、地域産業の衰退等を背景に、地域振興の柱として観光振興に取り組む地域が増えています。中山間地域はかつて一次産業によって栄えた地域もありましたが、現在ではそうした産業はふるわず、人口減少も続いています。また地域振興の起爆剤として期待されたスキー場やゴルフ場などのリゾート開発もバブル景気の崩壊とともに下火になり、その運営が地方自治体の重い負担になっている地域もあります。

こうした地域が活性化するためには他の地域同様「安定した雇用の場」と「生活しやすい環境づくり」が不可欠です。「地域経営の手段としての観光振興」として考えると、観光客数を増やすこと、人数を追い求めることよりも、地域の産業振興につなげること、地域内での消費を高める、地域の農産品や伝統工芸品等の購買につなげることが重要な目標となります。また、「地域産業の振興」とともに「生活しやすい環境づくり」が最終的な目的ですので、地域のアイデンティティである独自の文化、町並み、自然等をむやみに産業振興のために開発するのではなく、「住む人にも、訪れる人も魅力のある環境づくり」を心がけ、保全を含めた活用を検討することが求められます。

中山間地は宿場町等の歴史・文化的な背景、都市部に豊かな水を供給する水源地域としての位置づけ、豊かな自然を背景とした都市部住民の環境学習やレクリエーションの場としての位置づけ等、近隣の都市との”つながり”を有する地域が少なくありません。

こうした豊かな自然、独自の歴史・文化等を背景とした「都市」と「地域」の結び付きをどのように観光振興に活かすのかが中山間地域の振興の大きな「鍵」になるのです。

 

本校でも、観光をテーマとして課題研究を行う生徒が増えており、着実に成果をあげています。

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