Daily Archive: 2015年12月4日

12月
04

はやぶさ2

昨年12月に打ち上げられた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が3日午後7時すぎ、地球に最接近しました。美星天文台では口径101センチ反射望遠鏡で観測しました。雲の影響は少なく、午後6時10分ごろには北西の空を北極星方向に移動するはやぶさ2の姿を捉えました。「はやぶさ2」は打ち上げ以来、地球と並走するように太陽の周りを回ってきました。3日に地球の重力に引かれながら近づき、小惑星と出合う方向に大きく進路を変えて通過し、天体の重力を利用して方向転換し、「スイングバイ」と呼ばれる航法で小惑星「りゅうぐう」をめざします。

美星天文台

美星地区は、岡山県の西南部に位置し、吉備高原の一角をなし、かつて美星町として存在していましたが、平成の大合併により芳井町とともに井原市に編入しています。「地形の起伏がゆるやかで気流が安定している」「瀬戸内式気候で晴天率が高い」「市街地から離れている」など、町名の通り天体観測に適した条件が揃った地であり、海上保安庁の水路観測所(閉鎖)・美星天文台・(財)日本宇宙フォーラムの「美星スペースガードセンター」(スペースデブリや小惑星の監視)の所在地です。1982 年より、まちおこしのため「星の郷」をアピールする一連の事業に着手しています。そのなかでも全国的に類を見ない試みとして、「美しい星空を守る美星町光害防止条例」を制定しました。この条例は町を訪れたアマチュア天文家の発案によったもので、適正な屋外照明のあり方を定めたものとして注目されました。美星町は過疎化に悩まされていますが、状況を逆手に取り、町内外の協力を得ながら、夜空の保全に努めています。美星地区は矢掛高校ESDフィールドのひとつです。

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