矢掛高校は、ユネスコスクールです。
ユネスコスクールとは?
ユネスコスクールは,ユネスコの理想を実現する学校です。そのために、持続発展可能な教育を推進しています。
ユネスコスクールは、1953年、ASPnet(Associated Schools Project Network)として、ユネスコ憲章に示された理念を学校現場で実践するため、国際理解教育の実験的な試みを比較研究し、その調整をはかる共同体として発足しました。2013年には60周年を迎えます。世界180カ国で約9,000 校がASPnetに加盟して活動しています。日本国内では、2013年9月現在、615校の幼稚園、小学校・中学校・高等学校及び教員養成系大学がこのネットワークに参加しています。日本では、ASPnetへの加盟が承認された学校を、ユネスコスクールと呼んでいます。ユネスコスクールは、そのグローバルなネットワークを活用し、世界中の学校と交流し、生徒間・教師間で情報や体験を分かち合い 、地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、発展を目指しています。
文部科学省と日本ユネスコ国内委員会は、ユネスコスクールを持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)の推進拠点と位置づけ、加盟校増加に取り組んでいます。
2014年11月、岡山市で「ESDユネスコ世界会議」が開かれます。これは2005年から世界中で取り組まれてきた「国連ESDの10年」の成果をまとめる会議で、世界中からESD関係者が岡山に集まり、その実践報告や今後の課題などについて話し合うものです。ESD領域では初となる本格的な「世界会議」です。現在、ESDの地域実践拠点は世界中に85地域あるのですが、日本の地域実践拠点としては、仙台、横浜、中部、神戸、岡山、北九州の6か所が指定されています。その一つである岡山で、世界を代表する会議が開催されるということで、今その大会に向けた準備が岡山市を中心に急ピッチで進められているところなのです。
同時開催の愛知会場で主に政府関係者の会議が開かれるのに対して、ここ岡山会場では世界中の「ユネスコスクール」から生徒や教師が集まってくるところにその特徴があり、世界の若者たちの“生の声”を集めて、未来の世界についてディスカッションを行う。それが岡山での世界会議のイメージになります。当然、岡山県最初の「ユネスコスクール」である「矢掛高校」がこの会議で果たす役割も大きいと思われ、来年度に向けた準備は、本校でも本格的に始動しているところです。
ESDとは?
ESDとは、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)の頭文字を取ったものです。
地球規模の環境破壊や、エネルギーや水などの資源保全が問題化されている現代において、人類が現在の生活レベルを維持しつつ、次世代も含む全ての人々により質の高い生活をもたらすことができる状態での開発を目指すことが重要な課題となっています。
このため、個人個人のレベルで地球上の資源の有限性を認識するとともに、自らの考えを持って、新しい社会秩序を作り上げていく、地球的な視野を持つ市民を育成するための教育に期待が寄せられています。
「持続可能な開発」を進めていくために、あらゆる領域から、学校教育、学校外教育を問わず、国際機関、各国政府、NGO、企業等あらゆる主体間で連携を図りながら、教育・啓発活動を推進する必要があります。この教育の範囲とは、環境、福祉、平和、開発、ジェンダー、子どもの人権教育、国際理解教育、貧困撲滅、識字、エイズ、紛争防止教育など多岐にわたるものです。
ESDで培いたい 「価値観」
- ・人間の尊厳はかけがえがない
- ・私たちには社会的・経済的に公正な社会をつくる責任がある
- ・現世代は将来世代に対する責任を持っている
- ・人は自然の一部である
- ・文化的な多様性を尊重する
ESDを通じて育みたい 「能力」
- ・自分で感じ、考える力
- ・問題の本質を見抜く力/批判する思考力
- ・気持ちや考えを表現する力
- ・多様な価値観をみとめ、尊重する力
- ・他者と協力してものごとを進める力
- ・具体的な解決方法を生み出す力
- ・自分が望む社会を思い描く力
- ・地域や国、地球の環境容量を理解する力
- ・みずから実践する力
ESDが大切にしている 「学びの方法」
- ・参加体験型の手法が活かされている
- ・現実的課題に実践的に取組んでいる
- ・継続的な学びのプロセスがある
- ・多様な立場・世代の人びとと学べる
- ・学習者の主体性を尊重する